未だ歴代最高傑作との呼び声高いシリーズ第5作。
親子三代に及ぶ魔族との因縁、魔物たちの仲間加入、”花嫁”の選択…など本作ならではの要素が盛り沢山であり、数多の苦難が降りかかるストーリーと併せて記憶に深く刻まれること間違いなしの名作です。
リュカ
【少年時代】
・幼少時代は6歳。どうやらどこかの国の王子のようですが、今は父と共に軽装で旅する身です。紫のターバンとマントがチャームポイント。
・何かと父やビアンカに連れられているイメージがありますが、父を追って洞窟の中に単身で入ったり、子猫を連れて別世界へ散歩しに行くなど年相応にやんちゃな一面も見せます。
・子供ながらHPや力は伸びていき、武器防具も一通り装備できます。アルカパ以降はブーメランを投げている姿が印象的でした。
【青年期前半】
・元奴隷の放浪人として旅し、結婚を経て遂にはグランバニア王に就きます。彼の苦労人っぷりを見ると最初から勇者だの王子だのを名乗っていたロトシリーズの主人公たちが温室育ちに見えてきますね…。
・エルヘブンの民である母親の血を引いている故に、魔物の邪気を祓う力を持っており、倒した魔物の中には彼を慕って付いて来る者もいます。
・今までは主人公=前衛でしたが、本作では仲間モンスターの耐久が優秀過ぎてパーティの3番目に並ぶこともありました。装備は充実しているのですが、所詮は人間なので身の守りが低く、素の耐性もありません。
・仲間モンスターに比べると素の力も低いものの、全体攻撃の刃のブーメランや強力な剣が装備でき、良コスパのバギマも使えることから差別化要素は十分です。Ⅵ・Ⅶでは特技に隠れて不遇気味になるバギ系呪文ですが、本作では主人公の呪文に大抜擢されています。
・当然フィールド呪文・回復呪文は完備しています。スクルト要員がいない中ではスカラも重宝しますが、単体にしかかからないうえ守備力の上昇率が減少しているので使い勝手はイマイチです。ボス戦ではメイン火力を仲間モンスターに回して自分はスカラと回復係を担当することもあり、肩書きの通り”魔物使い”らしい戦い方をしていました。
【青年期後半】
・宿敵ゲマの術により8年物年月に渡り石化してしまいます。物語が終わるまでに更に2年が経過した設定のため、実年齢は26歳→28歳、中身の年齢は18歳→20歳となります。石化を考慮しても歴代主人公より高い年齢ですね。子育てよりも魔物育ての方が上手そう。
・ドラゴンの杖でぽかぽか殴ればパーティ最大の攻撃力を誇り、王/夫/父/主人としての威厳を見せてくれます。バギクロスも中々使い勝手がよく、ブオーン戦で大活躍しました。
・HPが高く、専用防具が揃い始めると主人公の名に恥じない耐久力となります。"冠"や"マント"など勇者よりも王者と呼ぶに相応しい装いになるのはDQ5主人公ならではです。ただし、身の守りが低い人間の域を出ないので、ピエールやオークスには劣りましたね。
パパス
・リュカの父にしてグランバニア国王。武勇を以てリュカに父の背中を見せてくれますが、外道・ゲマに息子を人質に取られ抵抗もできぬまま無念の死を遂げます。
・雑魚敵を埃のように蹴散らすパパスが参戦する戦闘はほぼ見せバトルで、戦闘というよりはムービーの様相を呈しています。2回行動+戦闘後にリュカを回復+ジャミとゴンズを圧倒、と規格外の頼もしさです。
【少年時代】
・本作のヒロイン(念押し)です。リュカが赤ちゃんの頃に一回出会ったことがあるようですが、そのエピソードが深堀されることは最後までありませんでした。
・リュカより2歳年上の8歳。子供の時からピアスをしているマセガキちゃん。無鉄砲で主人公を連れまわすお転婆っぷりが描かれます。
・幼少時代からメラ・ギラ・通常攻撃でそれなりに豊富な攻撃ができます。魔法使い系のうえに幼い少女ではありますが、Ⅲの魔法使いほど耐久難ではありません。
【青年期前半】
・フローラの結婚指輪となる水のリングを探す道中で再開します。再会時は普通にドキっとしちゃいました。フローラの提案で花嫁候補に加わり、私はビアンカを花嫁に選びました。ヘンリーが去り、話し相手がいない寂しい旅をしていたところに再会したからこそ、リュカもコロっと堕ちちゃったんだと思います。
・流石に物理火力はリュカやモンスターに大きく劣りますが、メラミの単体火力が超強力なので余裕でスタメンを張れます。逆にベギラマはあまり使った記憶がないですね。素早さが高いので先制ザラキも凶悪でした。
・他にラリホーが使え、丁度マッシュ(後述)と入れ違いに加入したので眠り担当としても活躍してくれました。
・バイキルトも使えますが、ビアンカを連れたボス戦がなかったので使用機会は終盤までありません。
・今回プレイしたのはスマホ移植版ですが、個人的にはPS2番のパッケージに描かれた妙に眼つきの鋭いビアンカが好きです。
【青年期後半】
・リュカの8年に加えて更に2年石化しています。戸籍年齢は30歳ですが中身はまだ20歳。再加入したときは本当に生き別れの妻と再会したほど感動してしまいました。30分ぐらいリハビリ(レベル上げ)が必要でしたけどね…。
・終盤はお膳立て不要の単体最大火力メラゾーマが使えるだけで大活躍が確約。裏ボスではMPが枯れるまでこの火球を撃ち続けました。
・この世界で女性に贈るプレゼントとしては最高級品の(?)グリンガムの鞭を貢いでいるものの、狩り残した雑魚の処理に少々役立つ程度の威力です。メタルが出てきた時に考えて毒針を常備しておく方が大切かもしれません。
・引き続き最大の欠点は耐久。プリンセスローブの耐性は優秀とはいえ、HPが低く最強の盾がウロコの盾では話になりません。でも首がえらく頑丈なのでメタルキングヘルムを装備できます。
ゲレゲレ(ベビーパンサー→キラーパンサー)
【少年時代】
・虐められっ子に乱暴されていた子猫もといベビーパンサー。ビアンカと入れ替わる形でパーティ入りし、以降は幼少期の最後までリュカに付いてきてくれる可愛いペットです。もっとビアンカと縁が深いのかと思ってました。
・本作では花嫁論争の次にプレイヤー間で意見が割れる「キラーパンサー名づけ問題」ですが、現在メディアで最も使われているゲレゲレを採用しました。語感も少し荒っぽい感じで好きです。
・本作は賢さが20未満のモンスターは命令を聞いてくれないので、幼少期は実質NPC戦闘員。攻撃と防御以外のコマンドがないので妙な行動は取りませんが、せっかくの物理火力を腐らせたくないのでずっと殴っていて欲しいものです。
【青年期前半】
・”カボチ村の作物を荒らす魔物”として再会します。意外と雑食なんですね。人肉を頭からガブリとしそうな外見をしていますが…。
・主人の唯一の形見であるパパスの剣を大切に守り抜き、10年経っても待ち続けていた忠実さに胸を打たれました。以降は再び苦楽を共にすることになります。
・昔と違い賢く成長したので命令もできます。ただ、”ガンガンいこうぜ”で雑魚敵相手でも気合いためをしてしまうのは頂けません。
・ピエール以上マッシュ未満の攻撃力を持ち、それなりに高いとはいえ加入当初は流石に見劣りします。チゾットで入手できる炎の爪はギラ耐性のない相手に大ダメージが期待できるゲレゲレ垂涎の武器。ボス戦ではファイト一発と気合いためが乗った攻撃でメイン火力を担いました。
・HPは結構高いのですが、防具が貧相で盾が装備できず、耐性も微妙。猟犬のような風貌に反してパーティ最後尾に置いていました。
【青年期後半】
・正直ゲレゲレより強いモンスターも多いのですが、ストーリーに密接に関わる仲間である彼を連れて行かない手はありません。
・高い素早さからの雄叫びで雑魚敵の動きを封じることができるのは大きな評価ポイント。王者のマントが眠っている封印の洞窟に出現するまものつかい&ブルーイーター&レッドイーターの大軍の猛攻を封じたのがハイライトでした。
・パーティ最高の攻撃力を誇り、気合いためからの氷の刃攻撃は終盤のボス戦でも通用します。敵によって炎の爪/氷の刃/オリハルコンの牙のどれを装備させれば最高火力になるのかが変わりますが、いちいち検証するのが面倒臭かったのでずっと氷の牙を持たせていました。
・HPが高く水の羽衣を装備できるとはいえ、流石に耐久面は不安と言わざるを得なません。素の耐性もあまり高くないのでラスボス戦では何度も死んだ。
・エンディング時点でおよそ22年来の付き合いになり、豹の寿命は15年程度なのでかなり老猫なのではないかと危惧しております。
ベラ
・雪の女王から妖精の世界を救うため、人間界からリュカをスカウトしてきた妖精。
・NPC戦闘員なので命令はできません。ホイミ/ギラ/ルカナンと呪文のレパートリーが豊富な魔女っ子で、無駄行動もないので普通に強いです。ただ、贅沢に呪文を連発するので少しはMPのことを考えて欲しいもの。
ヘンリー
・少年時代の生意気さは鳴りを潜め、素直な相棒として冒険に同行してくれるラインハット王子。会話コマンドには楽しませて貰いました。
・フィジカルではリュカに劣りますが、イオが使えたりします。あんまり強くはなく、どことなく序盤のサマルトリア王子を彷彿とさせる存在。ボス戦のルカナンは有用でした。
アプール(エビルアップル)
・青年期前半の序盤で仲間になり、中盤まで主戦を張った大エース。最初は賢さが低すぎて命令ができませんが、そのうち解決します。強面と低い賢さの割に「おいしくたべないでね」と人語を話すギャップもあって中々かわいいやつです。
・攻撃がパーティ断トツで高く、キバ系の武器を持たせることでメインアタッカーになります。最後に覚える呪文のバギマは消費MPも少なく、溶岩原人によく効くのが素晴らしいです。
・HPと身の守りも規格外。敵の攻撃を受けても0ダメージのときすらありました。ただし、装備品が非常に貧弱なうえ耐性が皆無なので、炎ブレスが来たら焼きリンゴになってしまいます。
・こんなに強い戦士系モンスターが補助なんてできる訳…と思いきや、パーティ最速の素早さからルカニが使えたりします。どんだけ優秀なんだ。
・レベルが20でカンストし、中盤にパーティから卒業。彼の活躍無しに序盤の冒険は進まなかったので(断言)、感謝するばかりです。
マッシュ(おばけキノコ)
・アプールと並んで序盤で実力を発揮するエース。食べ物を好んで仲間にしている訳ではないのですが…。
・素の力はリュカ以上アプール未満。リュカと2人で刃のブーメランを投げると雑魚戦が非常に楽になります。ついでに最初から覚えている甘い息で敵全体を眠らせると更に快適です。
・耐久力は素のステータスはアプールに劣りますが、手足があるぶん装備はこちらの方がまだ豊富。
・レベル15でカンストし、死の火山で炎ブレスに耐えられずスタメンから離脱。それでも序盤の冒険を大いに支えてくれた功績は忘れません。
ピエール(スライムナイト)
【青年期前半】
・DQの仲間モンスターといえば!というほど人気モンスター。序盤に登場して簡単に仲間になり、そのまま裏ボスまで活躍してくれます。共に旅をした長さならゲレゲレと並ぶ最古参。言わばリュカに仕える騎士です。
・序盤はアプールやマッシュと比べると見劣りするフィジカルですが、強い店売り武器を装備できるのが強みです。そんな彼の真価に気付くのは死の火山。激しい炎を食らって焼きリンゴ&焼きキノコが出来上がっている傍ら、炎ブレス耐性と鉄の盾によって涼しい顔をしています。
・実は序盤からホイミが使える希少な仲間。リュカと同じくベホイミ/ベホマも使えるほか、キアリー/キアリクまで習得します。序盤は馬車からの回復要員として適性が高すぎるせいでスタメンになれないという弊害もありますが…。
【青年期後半】
・中盤~後半はイオラで集団戦もお手の物。地味な活躍所として、ミミックが出てきたときにマホトラでザキを封じるという芸もあります。
・吹雪の剣が装備できる+炎ブレス&イオ強耐性を持つ+優秀な防具が装備できる、とラスボス/裏ボス戦適性が極めて高く、間違いなくMVPと呼べる戦績を残しました。
・終盤の戦闘中は、人並みにあるMPを全てベホマに回せるのが贅沢ですね。
・青年期前半の終盤、グランバニアへの洞窟に潜る直前で仲間にしたおじさん。仲間にしやすい&強いという理由でピエールらと並びⅤの初心者救済四天王に数えられる存在です。
・成長こそ牛歩の歩みですが、レベルを上げればメキメキと実力が付く育て甲斐のある男。ピエール&ゲレゲレに続く3匹目のスタメンモンスターです。最終メンバーを選ぶにあたって、ちゃんと主人公とビアンカが石化してしまう悲劇をリアルタイムで目撃している仲間がいいな、と思っていたので青年期前半に出現するモンスターから選びました。
・彼の性能を説明するなら、前衛のフィジカルと最上級の回復呪文を両立したパラディンです。最初からザオラルが使えるほか、レベル8でベホマラーを覚えてしまうのでボス戦の安定感が段違いになります。終いにはザオリクを習得。高いMPから連発できるのでボス戦の後攻回復が一気に安定しました。作戦を”命大事に”しているだけで臨機応変に働いてくれます。
・HP/守備/耐性/防具が優秀なので加入直後から耐久力に安心感があり、ザキとマヒが無効なので致命傷を受け付けないのも嬉しいです。
・素の力が高く、バトルアックスや雷神の槍を持たせれば打撃要員としても通用します。一応ザラキとマヒャドが使えるのですが、素早さが低いので集団戦は不向きですね。
・エスターク撃破時点でパーテイ内HP1位+攻撃力2位+守備力1位+MP1位タイと圧倒的な高ステータスを誇りました。"エスターク最速撃破"には必要ないと思いますが、"エスターク接戦撃破"までなら活躍間違いなしです。
レックス
・リュカとビアンカの息子にして、魔王を倒すべく生誕した天空の勇者。年相応のやんちゃな坊主な一方で、歴代勇者と比較しても決して遜色ない正義感の持ち主です。
・天空の剣を装備できるものの、8歳児なので途中まで火力はイマイチ。2分の1成人式を済ませたぐらいであろう終盤では、吹雪の剣による打撃もギガデインによる雑魚敵掃討もお手の物。最もMPは低いのでダンジョン攻略でギガデインの連発はできません。
・加入から間もなく天空防具が揃うので子供ながら守備力・耐性は完璧。あの120~130cmぐらいの体格だったら天空装備ブカブカで可愛いだろうなぁ。
・彼の本分は意外にもスクルト/フバーハによる防御バフ&ベホマラー/ザオリクと補助にあります。地味にシャナクで呪い解除ができるのも助かります。MPが低いのでベホマラー連発は叶いませんが、ボス戦では戦闘意地に一役買ってくれます。星降る腕輪は彼に持たせていました。
タバサ
・どことなく『ブラックジャック』のピノコ感があります。アッチョンプリケやってみて欲しい。会話システムで話しかけると可愛い回答が返ってくるので好んでパーティに入れていました。
・ヒャド&イオ系の呪文で雑魚敵を蹴散らす後衛魔法使いです。クリア後のレベル上げではイオナズンが重宝しました。
・耐久も予想通り低いですね。一国の姫なのでプリンセスローブを着ている時期もありましたが、それだと三十路の母に天使のレオタードを着せることになるので、タバサに天使のレオタードを着てもらいました。
・素早さが高いので補助役に適性があると考え、戦いのドラム(クリア前はバイキルト)/毒針/魔封じの杖/世界樹のしずく/世界樹の葉/祝福の杖/時の砂など戦いに役立つ道具を持たせていました。
サンチョ
・グランバニア王家3代に仕え続けてきた忠臣。サンチョをパーティに入れていた人は少数派だと思いますが、私は彼にもパパスの敵討ちをさせてあげたいので連れていきました。
・それなりに力があり、重い武器も装備できるので物理火力にはまぁまぁ期待できます。クリア後は破壊の鉄球もぶん回せました。
・HPが非常に高く重装備もできるが、素の身の守りが低いので思ったよりは柔らかい印象です。彼は筋肉の塊ではなく脂肪の塊のよう…。
・彼の唯一無二の特徴は口笛/盗賊の鼻/忍び足の3種のフィールド特技を使えること。つまるところ、命令を100%聞くトルネコである。ステータスと体型も似てるし。Ⅳでしっかりトルネコを使った身としては、命令を100%聞くサンチョは非常に心強く思えました。一応MPがあり地味にスクルトも使えたりするので、この点でもトルネコの上位互換。
・魔人の金槌も装備できるので、口笛要員兼メタル狩り要員としても活躍してくれます。
ジュエル
・ビアンカ不在時に馬車を温めていたおどるほうせき。別に狙って仲間にした訳ではなく、初めて倒した個体が運よく起き上がって仲間になったものです。
・レベルは7でカンストしてしまうのですが、レベルが1上がるごとに恐ろしい勢いでステータスが向上するのですぐに戦力として完成します。一方で賢さが低く、レベルがカンストしても命令を聞くようになる20に満たないので種によるドーピングが必要です。
・最大の長所は他を圧倒する守備力と耐性。メタル系と違いHPも普通にあり、ゴーレムと違って耐性が優秀なので壁役としては文句なしの性能です。今回はビアンカに席を譲りましたが、このままミルドラースまで連れて行ったらどんな活躍を見せてくれたか気になるところです。
・後半になると流石に物足りませんが、最初のうちは攻撃力もそれなりにあります。他には豊富なMPから放たれるバギクロスがブオーンの出っ腹を切り裂きました。
そういえば「ドラゴンクエスト ユアストーリー」の山崎貴監督の「ゴジラ -1.0」がアカデミー賞を受賞しましたね。一応年に50本ほど新作映画を観に映画館に行くぐらいには映画好きなので、今回の快挙は喜ばしかったです。ユアストーリーはDQ5の映画化としては多くの課題を抱えた作品でしたが、それでもアニメーションに関しては素晴らしい出来だったと公開当時から思っていました。